- 養成では教わらない「現場の壁」の正体
- 新人インストラクターが質問対応で戸惑う理由
- お客様の質問に隠された本当の意図
- 現場での安心感を作るために必要なこと
養成では、解剖学を学んだ。呼吸を学んだ。種目を覚えた。姿勢評価の方法も習った。
でも現場に出て最初に戸惑ったのは、そこじゃなかった。
「週1で意味ありますか?」
「前の先生はこうしてました」
「私、変わりましたか?」
お客様からの何気ない一言に、頭が真っ白になった。
新人の頃の私は、レッスンそのものより、「次に何を聞かれるか」の方が怖かったかもしれない。
月100本以上セッションを重ねてわかったのは、お客様の質問や反応にはある程度パターンがあるということでした。そして、事前に知っているだけで、現場での安心感はかなり変わる。
養成では解剖学を学ぶ。でも現場は会話だった
養成講座のカリキュラムは充実していた。解剖学、呼吸、種目、姿勢評価。それなりに勉強して、資格も取った。
でも現場に出た瞬間に気づいた。養成で学んだことと、現場で求められることの間に、大きな空白がある。
その空白の正体は、「人対応」だった。
お客様は、インストラクターに種目の解説を聞きに来ているわけじゃない。体を変えたい、楽になりたい、安心したい——そういう気持ちを持って来ている。だから会話の中には、純粋な疑問だけでなく、不安、期待、比較、確認が混ざっている。
新人の頃の私は、質問の「内容」にしか目を向けていなかった。でも本当に大事だったのは、「誰が、何のために、その質問をしているのか」だったと思う。
新人インストラクターが戸惑いやすい質問
実際に現場でよく出会う質問の一部を紹介します。
「これ何のためですか?」
一見シンプルな質問。でも、聞いてくる理由は人によって全然違う。
純粋に興味がある人。全てに意味がないと動けない人。なんとなく聞いている人。中には、試してくるような空気感の人もいる。
新人の頃の私は「ちゃんと説明しなきゃ」と思うあまり、一生懸命説明するほど、気づいたら相手はもう聞いていない、という経験を何度もした。
答えの「正確さ」より、「今この人が何を求めているか」の方が大事だった。
「週1でも意味ありますか?」
「意味ありますよ!」と答えるだけでは、ただの営業トークに聞こえてしまう。かといって「週2〜3回来ないと」とプレッシャーをかけるのも違う。
この質問の裏にあるのは、多くの場合「自分は変われるのか」という不安だったりする。聞かれているのは頻度の話だけじゃない。
「前の先生はこうでした」
担当変更、代講、別スタジオからの移籍。こういうタイミングで、不意打ちで比較される。
自分の指導を否定されたように感じて、一瞬フリーズする。でも前の先生がどんな意図でそうしていたのかは、私にはわからない。見たこともない相手と戦っても、苦しくなるだけだとわかるまで、しばらくかかった。
「私、変わりましたか?」
「変わりましたね!」と適当に返すのは簡単。でも、それは信頼を作らない。
この質問の背景には「ちゃんと見てもらえているか」という確認が含まれていることが多い。適当に褒めるより、カルテを見て具体的に伝える方が、ずっと響くと気づいた。
実は質問よりもしんどかったこと
質問への対応でも消耗していた。でも正直、それ以上にきつかったのがメニュー作成だった。
レッスンが終わっても、次のお客様のメニューが決まらない。カルテを開いて、「この人は腰痛があって、前回と同じじゃ申し訳なくて…」と考えているうちに休憩時間が消える。
質問への対応は「その場」で終わる。でもメニュー作成は、レッスン前も後も頭を使い続ける。新人の頃は、この二重の消耗で本当にぐったりしていた。
メニュー作成で消耗しやすい理由と、月100本を超えて気づいた「8割固定」という考え方は、こちらの記事でまとめています。
質問やメニュー以外にも、さらにメンタルを削られる瞬間がある。
- レッスン中に突然「足攣りました」と言われた瞬間
- 「大丈夫です」と言いながら、顔は全然大丈夫じゃない人
- 「効果を感じない」と言われたとき
- Before Afterの写真が変わっていない(むしろ悪く見える)瞬間
- 「前回のレッスンで劇的に変わった」(担当が私じゃなかった)
- 予約表で、自分の枠だけガラ空き
- 「これでご飯食べてるんですか?」と聞かれたとき
これ、全部実際に経験したことです。
どれも「技術」では解決しない。でも現場では、こういう瞬間が普通に来る。
新人の頃の私は、こういう場面のたびに「私、向いてないのかも」と思っていた。でも今振り返ると、向いていなかったんじゃなくて、知らなかっただけだった。
現場に出て初めてわかることがある
パーソナルインストラクターの仕事は、想像以上に孤独だ。
他のインストラクターがどう対応しているのか、見る機会がほとんどない。カルテから想像することはできても、実際の現場でどう考え、どう言葉を選んでいるのかはわからない。
だから困った時に「先輩、ちょっといいですか」が使えない。資格を取った瞬間から、一人でお客様の前に立つ。
質問対応やメニュー作成だけでなく、クライアントそのものに消耗することもあった。
仰向けになった瞬間に寝る人。何を聞いても「はい、大丈夫です」しか返ってこない人。説明の途中で勝手に動き出す人。新人の頃は、こういう場面のたびに「私の何かが悪いのかな」と思っていた。
でも月100本以上現場に出て気づいたのは、こういうタイプは普通にいるということだった。知らないまま当たると消耗するけど、パターンを知っているだけで受け止め方がかなり変わる。心を削られやすいクライアントの5タイプは、こちらの記事にまとめています。
月100本以上のセッションを重ねてわかったのは、お客様の質問や反応には、ある程度パターンがあるということ。そしてパターンを事前に知っておくだけで、現場での安心感はかなり変わる。
完璧な答えを用意することより、「あ、このタイプの人だ」と認識できるだけで、冷や汗の量がぜんぜん違う。
実際に現場で戸惑った30の質問と瞬間をnoteにまとめました
新人時代の自分が読みたかった内容を、そのまま詰め込みました。
実際に私が現場で戸惑った30の質問と瞬間、当時どう感じたか、今ならどう返すか、注意したいポイントを章ごとにまとめています。
養成では教わらない。新人ピラティスインストラクターが現場で戸惑う30の質問と瞬間
月100本以上のセッションで実際に遭遇した場面だけを収録。「知っておくだけで安心感が変わる」内容を6章に分けてまとめました。
- 第1章:お客様からの知識テスト
- 第2章:レッスン中に突然やってくる冷や汗
- 第3章:結果を求められるプレッシャーな瞬間
- 第4章:他人と比較される地獄
- 第5章:実は一番難しいお客様たち
- 第6章:養成では教わらないメンタルが削られる瞬間
現場で孤独に頑張っている新人インストラクターの安心材料になれば嬉しいです。
noteで詳しく読む →向いていないと思っていたことの多くは、実は知らなかっただけだった。そう気づいてから、現場が少しずつ変わっていった。
新人時代の私みたいに、一人で抱え込んでいる人の参考になれば嬉しいです。
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メニュー迷子、クライアント対応、孤独、消耗——現場で実際に潰れかけた経験をもとに、理想論じゃなく、”続けられる現場”を言語化しています。

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